旅と食と糸と花

旅が好き、食べることが好き、こぎん刺しを嗜み、花を愛でる、でもどれに関しても無知な妙齢会社員の日記

2021晩秋の八戸旅行・是川縄文館(2)

 

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そもそも、縄文文化に全く興味が無かった私。はにわ、土偶がかわいいよねーみたいな勘定も無い。
しかし、ブラタモリや妄想トレインを熱心に見るようになってから「それが大好きで仕方ない人」から聞く話は面白いことが多いと気づいた。但し、こちらの受け手がきちんと傾聴姿勢があるという大前提があるけれど。


で、八戸ストーカー行為を行っていた私に気づいた手芸部長が「是川縄文館」の存在を教えてくれたのだ。
何気なくHPを見てみたら、ボランティアガイドが付いてくれるというではないか!しかも無料!
(そしてこの後青い森鉄道のサービスを知る)

1週間前までの要予約だけど、このサービスは絶対受けたい!!
と電話で問い合わせると日曜はこのサービスを行っていないとのこと。自分のスケジュールを考えると到着日に直行する以外に道がない。幸い土日だと新幹線の到着時間に合わせて八戸駅からバスも出ている。ありがたや~。

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ということで、無事到着!
ボランティアガイドの方と合流して、見学ツアー開始。

 

まず、この是川縄文館のなりたちについて軽く説明。

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(窓から遺跡発掘のエリアが見えるが、一部畑になっていたw)

ものすごくざっくり言って、大正時代に地元の豪農のところから土器などが発掘。この豪農兄弟がすごくて(いずれも婿養子だったんだって!)、こういう地元のお宝を流出させてはならぬと保護。

 

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青森県内には日本海側に亀ヶ岡遺跡があるそうだけど、あちらは発掘がもっと早く江戸時代だったんだって。勝手に発掘されたり、売られたりしてしまい、地元に残ったものはかなり少ないらしい。その点、是川縄文遺跡は先見性のあった豪農・泉山兄弟が保護に尽力した結果、かなりのお宝が今もあるそうですよ。

 

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館内は大きく分けて漆加工の土器、土偶、資料解説展示、国宝の合掌土偶の4つが常設展示で、あとは企画展示なんかもやってるそう。

私が行った日はたまたま「1年間の発掘の成果を見せる日」(もっとちゃんとした名前がありますw)で、老若男女の八戸市民が集まっておりましたよ。※だからといって混雑はしていない

 

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さて、色々説明してもらって私は自分の無知を恥じたのだけど…縄文時代に漆加工を既に行っていたってすごくない??そんなことしてるって知ってた?
装飾のためと強度のためだそう。そして、木の皮を接いで、それに漆を塗って容器にしてたりするんですよ。すごくない?きちんと糸のようなもので縫い合わせてあるの。
糸がタコ糸くらいの太さに見えたんだけど。その縫い目をきちんと大きさ揃えて縫うんですよ。自分の裁縫を翻っても、これってすごいこと。

 

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そして、この時代に既に人間が「美」を求めていた事もなんだかすごく感動した。もうほぼ本能みたいなもんじゃない?農耕もないこの時代に、「食う」「生きる」が直結していたと思うのだけど、そこにも「美」を求めて装飾を施していたなんて、それって心の余裕を感じるんだよねえ。
ガイドさん曰く「食べ物探す以外は暇だから、装飾に時間をかけられたんじゃないですかね」って(笑)確かに、それもあるかもしれない。

 

 

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続いて、土偶。これまた今回知ったのだけど、土偶は祭事などに用いられていたもので、そのイベントが終われば廃棄していたと思わているんだって。だからこそ、完全な形で残っているものは少ないんだって。
古いから壊れて、欠けているんだと思っていたよ。

 

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この八戸の遺跡はいくつかの高台に点在していて、自転車で周れそうな距離ではあるんだけど。それでも、その集落ごとに土器や土偶への装飾傾向が異なっていて、それぞれの街自慢があったのだなと感心してしまった。オラんところが一番!とか思ってたのかな…

 

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そして、国宝の合掌土偶にご対面。
なんか可愛いな~。土偶がこんな風に合掌してるなんて、今のところこれを含めて2体しか見つかっていないそう。

 

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土偶は祭事に使われてたとはいえ、まだ仏教も無い頃。どうして手を合わせていたんだろうね~。お願いします!的な意味合いで、昔も使ってたのかしら。頼む!食べ物見つかってくれ!的な。


企画展示は「装い 身を飾るひとびと」をテーマに縄文に限らず各時代にここで暮らす人々の装飾品の展示がありました。

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で、こぎん刺しの展示もあった!ふふふ。


ちなみに歩いて数分のところに別館もあるそうですが、今はリニューアルの為休館してます。


帰りに売店でいただいたクーポンを使ってお土産購入。
この売店のおねえさんがかわいくてねぇ。私がクーポン出したら「〇〇ちゃん、とうとう来ちゃったわ!どうしよう!」「おちついて、まずはこれよ」とか言いながらレジ打ちしてくれました(笑)

母と同年代くらいだと思うのだけど、うんうん、ボケ防止だからねたまには新しい事出てくるの大切だよ!と謎の上から目線で見守る私。

 

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(これは買ってません)

この後、縄文館から中心街までバスで移動したんだけど。ちょうど働き終わったおねえさんとバス停で一緒になってね。おねーさんはさっきの客だって分からなかったみたいだけど、バスを待つ間楽しくお話させていただきました。
八戸駅から縄文館に直行した話をしたら「いい心がけだねぇ」と褒められました(笑)