旅と食と糸と花

旅が好き、食べることが好き、こぎん刺しを嗜み、花を愛でる、でもどれに関しても無知な妙齢会社員の日記

2023車無しで巡る長崎旅(12)しょんぼりの朝、大浦天主堂へ

 

朝、少し早めに目覚ましをかけていたのですが…7:22に着信が。
ああ…やっぱり来てしまった。

実はこの日、この旅後半のお楽しみだった軍艦島見学予定だったんです。ただ、前日5/4午後ツアーが中止になったって知ってたから。
自分が申し込んだ5/5午前もダメかもなと思ってはいたのです。案の定ツアー会社からの電話で中止だそうです。
結局この後、GWいっぱい(5/6までカレンダー的に休日だった)中止だったようです。
雨だけなら運行するみたいなんですが、風があると軍艦島に上陸出来ないんですよね。上陸できないくらいなら運航中止の方が諦めがつくというものよ。
すごくショックでしたが、前日の酷い船酔いを思い出すとちょっとだけホッとした。

 

船酔い防止のため、朝ごはんは軽くにしておこうと思っていたので、五島で買ったパウンドケーキのみ。
空っぽは空っぽで気持ち悪くなりやすいので、少しだけ入れておいた方がいいよねと思ってさ。無駄な気遣いだったけども。

予報を見ると午前中は辛うじて天気が持つかも!?という様子だったので、これはあそこ行かないとだわ~~と出発。
ホテルのフロントで路面電車の1日乗車券を購入し、到着したのは大浦天主堂

 

事前学習で読んだ「女の一生」by遠藤周作にも何度も登場したところです。というか、この天主堂建築が小説のひとつの大きな大きな波を起こすんだよね。


そして、この3年5か月の年月で一番人が多かった。
こういうの忘れてたな。

ここは拝観料1000円でした。変な言い方だけど、長崎に来て初めてまともに料金とられた感じだよ。これが普通なんだよね、他のところ本当大丈夫だろうか。

 

この大浦に赴任し教会の建設にも尽力、長崎の隠れキリシタンへ光と影をもたらしたプティジャン神父は女の一生にも出てくる実在の人物です。
中は撮影不可ですが、小説に出てくる人物たちが熱心に祈りを捧げたマリア様が展示してあって胸をうたれました。
小説を読んでなくても、その静謐な空気はきっと何かを感じると思う。

私が小説を読んだせいかな、なんだかとても…重い感じがしたよ。

 

となりの建物は、禁教が解かれて信仰が自由になった後神父が足りなくなったので養成学校を作ったのだそう。今は資料館になっています。
こちらも撮影不可です。
ここで、キリシタンへの拷問についても展示があって、一人だし周りに人もいるのにちょっと泣いちゃったよ。

 

布教に来たヨーロッパについては色々思う所もあるし、小説の主人公であったキクも同情の余地はあまりないと思っているのだけど。
それでも、ただ信仰していただけで拷問されて死んでいった市井の人を思うと胸が詰まったわ。


軍艦島に行けなかったことも忘れるくらい夢中で見学。
行く前にオノヨーコ(仮名)の教え通り、小説読んでおいてよかったな。