先日、ポンペイ展へ行ってきた。
私がポンペイに行ったのは卒業旅行の時なので、もうはるか昔。私にとって最後のバックパック旅行だった。
確かローマから日帰りで行ったのだけど、当時は南部の治安がめちゃくちゃ悪いと聞いていたので友達と2人で相当ビビりながら行ったのだ。
今は知らないけど、当時は大して観光客も多くなく、のんびりじっくり見学する事が出来た。
日本がまだ石器時代だった時に、これだけの文明と豊かな暮らしをしていたのかと非常に驚いたこと、それが何の目的のモノだったのか分かるほど綺麗に竃や住居施設等が残っていた事を今もすごく覚えている。私が旅先で遺跡を見る楽しさを覚えたのはこのナポリがきっかけだ。
しかしながら…このポンペイに向かう列車で、どこかの駅で通過待ち?かなんかでしばらく停車していたのだけど。
そこで目の前でひったくりが出たことも強烈に覚えてる。今思い出してもドキドキする。
当時は「アホ日本人、金でブランド漁りする(プラダやフェンディ全盛期)日本人」とどこかの大陸人みたいなくくりをされていた私たち日本人ではなく、反応が鈍そうな現地マダム(多分60代くらい)グループのバッグを目の前で若い男がひったくって、ホーム・線路へと逃げて行った。あっという間の出来事だった。
友達がベトナムでひったくりにあってたけど、あの人たちって狙いを間違えないよね。その友達は私も何度か注意したけど、海外旅行何度してても本当に全然気を付けてないもん。
ポンペイというと、遺跡とひったくりのことをいつも思い出す。というどうでもいい前置きが長くなってしまった(笑)
思い出のポンペイ、改めてきちんと見たいなと思って行ってきたのであります。
コロナになって数少ない恩恵が美術館の予約システムだよなーと思う。混雑状況が読めるし、会場に行って不愉快な思いをしないで済む。
色々制約もあるんでしょうけど、全ての美術館、博物館がこのシステムを取り入れてくれればいいのになと思います。
平日に行ったのだけど、予約制とはいえ、いつもの常設展に比べると人も多いですね。
やっぱり今は気軽に海外行けないからかしらん。
犠牲者の石膏像。
これ、噴火の火砕流で埋められてしまった人なんだけど。人の体は朽ちてしまい、発掘の時にそこだけぽっかり穴が開いてて、石膏を流し込んだらこういう像が出来上がったんだって。
すごいよね。
そして謎の肌かき棒…何するんだろう?孫の手みたいな感じで背中でもかくのだろうか???
と思ったら、かのテルマエ・ロマエにも出て来たらしいね。垢すりらしい。読んだら使い方載ってるのかしら。
しかし、青銅をこれだけ細く綺麗にカーブさせる技術が既にこの時代にあったということがすごいよね。日本は弥生時代ですよ。
金持ち(言い方)の邸宅の玄関を再現したところもあって、床にすごいモザイク画が広がってるんですよ。
で、そこに居たのがアレクサンダー大王!!この絵、教科書で見た!
ポンペイにあった絵だったのか。
更に大王の手前にあったナイル川の動植物のモザイク画は本物が壁に展示されていました。何もかもすごい…
モザイク画が綺麗に残ってることも、これだけの絵を描ける技術も、これを日本という遠い国に持ってきて見せてくれるということも。
銅像なんかも大理石やブロンズで造られたものがあって、そこの精密さにもうなんか知らないけど頭が下がる。
これを日本に持ってきてくれてありがとうみたいな気持ちになる。
そして、今回初めて知ったのだけど、ヴェスヴィオ山噴火で埋まった街はポンペイだけではなかったのだ。
ポンペイに流れた火砕流が(後に)発掘しやすい、比較的柔らかい土壌だったから発掘が進んでるだけで、まだまだこれから発掘調査する遺跡がいくつも残されているそう。
いや~、行ってよかったです。
今回特別展用のチケットを持っていたのでタダで見たようなもんだったのだけど。もう一回お金払って見てもいいかもとすら思っている。
ところで、基本的にどこもフラッシュなければ写真OKなので、私も撮りましたが。
ひたすらすべての展示品を撮ってる人がいて、しかもカメラ(スマホではない)が無音じゃないから、ピント合わせの音からずっと聞こえてうざかった。
途中で見学速度変えて、ずらしたけどさ。
図録買えよと思った。