旅と食と糸と花

旅が好き、食べることが好き、こぎん刺しを嗜み、花を愛でる、でもどれに関しても無知な妙齢会社員の日記

【読書メモ】ソ連史

少し前に李登輝氏の本を読んで、ゴルバチョフ氏を思い出した私。
それ関連の本読みたいなと思った中で見つけたのが、こちらの「ソ連史」。
ソヴィエト連邦としての歴史を記した本。(作中ではソヴェトと表記)

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なかなか面白かった。Amazonでは「内容が難しい」「基礎知識がないと」と書かれていたけれど。
私程度の知識でも読めたので、難しくないと思う。
基礎知識…日露戦争第一次世界大戦第二次世界大戦の始まりと終わりをなんとなく知ってる
レーニンスターリンフルシチョフゴルバチョフなどなんとなく知ってる程度。


元々、ロシア語通訳者で後に作家となった故・米原万里さんが好きなので、ロシアとソ連へ多少の知識があっただけなんだけど。


ざっくり言って、切羽詰まった国の内部から現れた救世主と思いきや、李登輝氏とゴルバチョフ氏は何が違ったのか。が知りたかったのだけど。
ゴルバチョフ氏が最後の方にちょっと出てくるだけなんだけど、それでもなんかわかった気がするし、興味深かった。
本人の資質はさておき、そこまでの国の成り立ちも違うし、本人がトップに上り詰めるところまでも違った。国を変えようという意思がどちらもあったにせよ、「徐々に」変化でも時間的余裕があった台湾と「徐々に」では既に間に合わないところまで来ていたソ連では、結果は異なってしまうんだよな。

 

米原さんが昔「ソ連という壮大な社会実験が終わった」というような事を言っていたけど。その通りなんだなと。


ソ連社会主義は壮大な社会実験だったとしか言いようがない。そして、それは成功したとは言えないけれど、そこには他の国々が参考になることがたくさんあると思う。
独裁国家とはまた違うけれど、結局事実上の共産党独裁国家になってしまったわけだけど。
アメリカに、西側諸国に追い付け追い越せ、1人1人の幸福を与えたいと思って運営してきた「つもり」の国家だった。
私が子供の頃に習ったのは社会主義は一人一人平等に格差のない社会を目指しているという事だった。蓋の中身が全く見えないソ連という国があったおかげで、平等な国・理想の国では社会福祉が進んでいるという事柄が広まったおかげで、「社会福祉」という概念が西側諸国に広まったというのは、当たらずとも遠からずなのではないか。蓋開けたら全然違ったのだが(笑)


そして、本書では触れてはいないけれど日本でなぜ「赤軍」「共産主義」が若い人に広がったのかが少し分かった気がした。
それって、今のひろゆきとか西野とかハマるのと大差ない気がする。


中国の共産主義とはまた違うっていうのかな…いや、中国の建国直後は同じだったのかもしれない。いや、ソ連社会主義として生き残っていたら、同じなっていたのかもしれない。
うーん、歴史にifがないので分からないけれど。