旅と食と糸と花

旅が好き、食べることが好き、こぎん刺しを嗜み、花を愛でる、でもどれに関しても無知な妙齢会社員の日記

【読書メモ】李登輝伝

台湾好きなら、いろんな形で聞いたことがあると思う「李登輝」。
wikiではなく)生い立ちを知りたくて本を探したのだけど、意外と伝記に関するものが無くて。日本人秘書・早川氏のものを今予約中。
とりあえず、すぐ借りられたのでこちらを拝読。

 

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96年出版で、台湾初の総統選直前に出た本。
著者が台湾生まれで、のちに日本に帰化した方なんですけどね…李登輝贔屓がすごくて、ちょっと読みづらかった。
めくるたびに、主観が入ってくる点も読みづらい。
事実に対する感想は私が決めるよ。

96年までの経歴、台湾と中国の関係、外省人本省人の関係、というのは少し分かった。少しな。
中国と台湾は別であり、同じであり、別なのだ…でも、結局別なのだ。年代と共に、この頃より更に生粋の「外省人」が減ってしまった21世紀の今。
もう二度と同じ国にはならないだろう。「なれない」んじゃない「ならない」んだ。


台北に行ったときに、一度行ってみたいなと思ってた士林官邸。かつて蒋介石の官邸だったとは聞いていたけど。彼は台湾中にそういったものを持っていて、それは本省人にしてみれば「略奪」だったと。そしてそれは彼だけじゃなく、多くの国民党幹部によって同じように奪われた場所がたくさんあったそうだ。
日月潭の有名ホテルもそうだよね。そういう目線で、士林官邸を見に行ってみたいなと思う。そして日月潭も行きたい。

 

ただ、なぜ蔣経国にそこまで登用されたのかが見えなかった。wikiというか、李登輝自身の著書によれば「蔣経国が登輝を副総統に抜擢したことについて登輝自身は「私は蔣経国の副総統であるが、彼が計画的に私を後継者として選んだのかどうかは、本当に知らない。しかし、私は結局彼の後を引き継いだのであり、これこそは歴史の偶然なのである。」と語っている」らしい。

蔣経国の知己を得たきっかけも、そもそもは彼の暗殺未遂事件に李登輝の古くからの知人が捕まってその仲間の疑いがかけられたことから。そこからなぜ副総統まで上り詰めたのか。そこがこの本では見えなかったし、そこが知りたかった。

背景は違えど、時代的にはゴルバチョフエリツィンを彷彿させるなと思った。

 

とにかく蔣経国の信頼を得た結果、彼が急逝した際に副総統だったがために総統になり、民選でもきちんと選ばれた初の総統となるのだが、その選挙の前でこの本は終わっている。


不完全燃焼…